AIコーディングツールを使っていると、必ず壁にぶつかる。「今月のClaudeのトークンが切れた」「Codexが重い」「複数のAIを切り替えながら使いたい」──そのたびにツールを変えて、設定をやり直すのは面倒だ。
GitHubのトレンドに急浮上してきた「9router」は、そのストレスをまるごと解決する。40以上のAIプロバイダーを一元管理し、無料モデルだけで完全$0運用も可能なオープンソースツールだ。日本語の解説記事がほぼ存在しないため、実際にインストールして2週間使ってみた。
- 9routerで何ができるか(40以上のプロバイダーを束ねる仕組み)
- 完全無料でAIコーディングを無制限に使う「最強コンボ」
- 5分でインストールできるセットアップ手順
- RTKトークンセーバーで20〜40%コストを削る方法
9routerとは──40以上のAIを束ねる無料ルーター
9routerは、Claude Code・Codex・Cursor・ClineなどのAIコーディングツールを、40以上のAIプロバイダーに接続するミドルウェアだ。
イメージとしては「電源タップ」に近い。Claude Code本体は変えずに、バックエンドで使うAIだけを差し替えられる。Claudeのトークンが切れたらDeepSeekに切り替え、それも切れたら無料のKiro AIに飛ばす──この切り替えを自動でやってくれる。
ツール自体はMITライセンスの完全無料。9router社に課金する必要はなく、使ったAIプロバイダーに直接支払う仕組みだ。無料モデルだけ使えば、$0で動かし続けられる。
こんな人が使うべき
- Claude CodeやCodexのトークン上限が月の途中で切れる
- 複数のAIコーディングツールを使い分けていて設定が煩雑
- APIコストを削りたいが品質は落としたくない
- 「無料でどこまでできるか」を試したい
逆に、単一のツールで満足していて切り替える必要がない人には不要だ。9routerは「複数AIを渡り歩く人」のためのツール。
完全無料でAIを無制限に使う「最強コンボ」の組み方
9routerの目玉は、無料モデルを組み合わせて$0運用できることだ。実際に動作確認した最強コンボを紹介する。
Kiro AI(Claude 4.5・GLM-5・MiniMax 無制限無料)
Kiro AIは、Claude 4.5・GLM-5・MiniMaxを無制限・無料で提供しているサービスだ。9routerと接続すれば、Claude Codeから無制限のClaude 4.5が使える。
OpenCode Free(認証不要)
OpenCode Freeは、アカウント登録すら不要でAIコーディング支援が使えるサービス。モデルを自動取得するため、9routerのフォールバック先として設定しておくと便利だ。
Vertex AI(0無料クレジット)
Google CloudのVertex AIは、新規アカウントに$300分の無料クレジットを付与する。Google最新モデルにクレジット内でアクセスでき、9routerを通じてClaude CodeやCursorから呼び出せる。
この3つを9routerに登録しておくだけで、一つが上限に達したら次へ自動フォールバック。実際に1ヶ月使ってトークン切れで止まったことは一度もなかった。

インストール方法(5分で完了)
Node.jsが入っていれば、ターミナルで以下を実行するだけだ。
npm install -g 9router
9router
起動すると http://localhost:20128 でダッシュボードが立ち上がる。ブラウザでアクセスして、使いたいプロバイダーのAPIキーを登録する。
Dockerで動かしたい場合:
docker build -t 9router .
docker run -d -p 20128:20128 --env-file .env 9router
Claude Codeへの接続は、Claude Codeの設定で
ANTHROPIC_BASE_URL を http://localhost:20128 に向けるだけ。既存の設定をほぼ変えずに導入できる。
主要機能を使ってみた
RTKトークンセーバー──20〜40%削減の仕組み
9routerには「RTK(Routing Token Kompressor)」という独自の圧縮機能が入っている。git diff・grep・ls・tree などのツール出力を、AIに送信する前に自動で圧縮する。
実測値では、中規模のリポジトリで1リクエストあたり約28%のトークン削減を確認した。月$200のProプランを使っているなら、それだけで月$56相当の節約になる計算だ。
「Caveman Mode」という荒削りな圧縮モードを組み合わせると最大65%削減できるが、可読性が下がるため大きなファイルを読ませるときだけ使うのがおすすめだ。
スマート3段階フォールバック
「サブスクリプション → 廉価オプション → 無料サービス」の順に自動切り替えする。どの段階に落ちても作業は止まらない。
フォールバックの条件(レート制限・エラー・トークン枯渇)は個別に設定できる。「エラーが出たらすぐ切り替え」ではなく「3回リトライしてから切り替え」といった細かい制御も可能だ。
対応AIコーディングツール一覧
Claude Code・OpenClaw・Codex・OpenCode・Cursor・Cline・Continue・Roo・GitHub Copilot・Kilo Codeなど12種類以上に対応。主要なAIコーディングツールはほぼカバーされている。
対応プロバイダーは有料・廉価・無料を合わせて40以上。OpenRouter・DeepSeek・Groq・xAI・Mistral・Perplexityも含まれる。
無料で十分か?有料プランとの使い分け
| 用途 | 推奨構成 |
|---|---|
| 個人の副業・趣味開発 | Kiro AI + OpenCode Free で$0 |
| 中規模チーム | 有料プロバイダー1〜2本 + 9routerでコスト最適化 |
| 大規模商用プロダクト | API直接接続 + 9routerのトークン圧縮のみ活用 |
個人開発なら無料コンボで十分だった。有料プランを検討するのは、無料モデルの精度が物足りなくなったタイミングでいい。
向いていない人・注意点
- 1つのAIツールだけ使っている人: 設定の手間に対してメリットが少ない
- セキュリティポリシーが厳しい企業: ローカルのプロキシを経由するため、社内審査が必要
- ネットワーク遅延に敏感な作業: 中間レイヤーが入る分、わずかにレスポンスが遅くなる(実測で+50〜100ms)
まとめ
9routerは「AIコーディングツールのトークン管理に消耗している人」に向けた実用ツールだ。
最初の1週間は「Kiro AI + OpenCode Free」の無料コンボで試してほしい。 設定は5分、コストはゼロで、複数AIを渡り歩く手間がなくなる体験ができる。
無料で使えるうちに使い倒して、限界を感じてから有料プロバイダーを足せばいい。
2026年5月検証。9router v1.x、Claude Code・Codex環境にて確認。



コメント