AIコーディングツールを選ぼうとして、Cursor と Windsurf のどちらにするか迷い続けている人は多いはずだ。「どちらも月20ドルで似たような機能に見えるけど、本当に違いはあるのか」という疑問は正直なところだと思う。
筆者も実際に両方のPro版を使い比べてみた。その結論は「向いているエンジニア像がはっきりと違う」ということだった。どちらが優れているかではなく、自分の開発スタイルに合っているかが選択の分かれ目になる。
- Cursor 3.0 と Windsurf の機能・性能・価格の違い
- どちらが自分の用途に向いているかの判断基準
- 2026年4月時点の最新料金と無料プランの実態
結論:用途別のおすすめ
先に結論を出しておく。
| あなたのタイプ | おすすめ |
|---|---|
| VS Codeでオートコンプリートの精度を最大化したい | Cursor 3.0 |
| 大規模リファクタリングをエージェントに任せたい | Windsurf |
| JetBrains・Vim・XCode・NeoVimを使っている | Windsurf(Cursorは非対応) |
| 医療・金融・防衛系でコンプライアンスが必要 | Windsurf(HIPAA・FedRAMP対応) |
| ブラウザのUIを直接クリックして指示したい | Cursor 3.0(Design Mode専用機能) |
| タブ補完を無制限に無料で使いたい | Windsurf(独自モデルはクォータ外) |
| チームでリアルタイムコラボレーションしたい | Windsurf |
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機能比較表(2026年4月時点)
| 項目 | Cursor 3.0 | Windsurf |
|---|---|---|
| 主要AIモデル | Claude Sonnet 4.6 / GPT-5.4 等 | SWE-1.5(独自)+外部モデル選択可 |
| オートコンプリート承認率 | 72%(業界最高水準) | SWE-Bench 40.08% |
| 生成速度 | 〜68 tok/s | 950 tok/s(SWE-1.5使用時) |
| 対応IDE | VS Code系のみ | 40以上(JetBrains・Vim・XCode等) |
| 並列エージェント | ✅ Agents Window | ✅ Parallel Agents(Wave 13〜) |
| ブラウザUIへの直接指示 | ✅ Design Mode | ❌ |
| コンプライアンス | SOC 2 | SOC 2・HIPAA・FedRAMP・ITAR |
| リアルタイム協業 | ❌ | ✅ |
| Pro 月額 | $20 | $20 |
| 無料プランの補完 | あり(制限付き) | 無制限(独自モデルはクォータ外) |
| 月額 Max プラン | あり | $200/月 |
Cursor 3.0 の新機能
2026年4月2日にリリースされたCursor 3.0は、インターフェースをゼロから再設計した大型アップデートだ。チームのコンセプトは「コードのほとんどはAIエージェントが書き、開発者はそれを指揮する」という考え方への明確な転換。インターフェース全体をその思想に沿って作り直している。
Agents Window:並列エージェントで複数タスクを同時進行
新機能で最も実用的に感じたのが Agents Window だ。複数のエージェントを異なるリポジトリや環境で同時に走らせることができる。Agent Tabsというパネルでそれぞれの進捗をグリッド表示しながら管理できるため、「Aエージェントでバグ修正、Bエージェントでテスト追加」といった並列作業が自然に行える。
実際に試してみたところ、APIエンドポイントの追加と既存コードのリファクタリングを同時に走らせることができ、作業時間が体感で半分以下になった。ローカルで開始したタスクをクラウド環境に引き継いで結果だけ受け取る、というシームレスな使い方も可能だ。
Design Mode:UI要素をクリックして直接指示
もう一つの目玉が Design Mode だ。「このボタンを青にして」「余白を詰めて」という変更を文章で説明する必要がなく、ブラウザ上のUI要素を直接クリックして指示できる。フロントエンドの細かい調整でCSSを読んで該当クラスを探す作業が完全になくなった。
実際に使うと「ここのパディングを8pxにして」とだけ入力すれば、エージェントが該当箇所を特定して修正してくれる。視覚的なフィードバックがそのままコード変更に結びつく感覚は、言語化が難しいほど便利だ。
補完精度:業界最高水準の72%承認率
数字として出ているのは オートコンプリートの承認率72% だ。AIが提案したコードを10回中7回以上そのまま使えるということ。ユーザー数200万人超・ARR20億ドルという規模が、多くのエンジニアが日常的に依存していることを裏付けている。
Windsurf の強み
SWE-1.5:Claude Sonnetより13倍速い独自モデル
Windsurfの最大の差別化ポイントが、独自開発モデル SWE-1.5 だ。Cognition AIが開発し、Cerebrasの推論インフラと組み合わせることで 950トークン/秒 という速度を実現した。
これがどれくらい速いかというと、Claude Sonnet 4.5の約13倍、Haiku 4.5の約6倍だ。200行の関数を生成する場合、Windsurfなら約12秒で完了するのに対し、Claudeでは約3分かかる。待ち時間が劇的に消える感覚は、実際に使ってみると作業リズムが根本から変わる。
精度面では、実世界のバグ修正ベンチマーク「SWE-Bench」で 40.08% を記録。これはClaude Sonnet 3.5と同等の精度だ。速さと精度を両立させたモデルという評価は正直なところ妥当だと感じる。
大規模リファクタリングでの実力差
標準化されたテストで両ツールを比較した結果が興味深い。レスポンシブなデータテーブルの作成ではCursorが2回のプロンプトで完成させたのに対し、Windsurfは3回必要だった。しかし、3000行のExpress.jsコードベースを移行するという複雑なリファクタリングでは、Windsurfが1回目でほぼ完成形を出力し、テスト失敗も2件のみ。Cursorは4ファイルの手動修正が必要だった。
単純なタスクはCursor、大規模なリファクタリングはWindsurfが強い、という使い分けが見えてくる。
40以上のIDE対応とエンタープライズコンプライアンス
CursorはVS Code系のみ対応しているが、Windsurfは JetBrains・Vim・NeoVim・XCode を含む40以上のIDEプラグインを提供している。JetBrainsユーザーには事実上Windsurfしか選択肢がない。
企業利用で重要なコンプライアンスも Windsurf の強みだ。SOC 2・HIPAA・FedRAMP・ITAR の認証を取得しており、医療・金融・防衛分野での採用が進んでいる。CursorはSOC 2のみの取得にとどまっている。
また、リアルタイムコラボレーション機能(複数人が同じコードを同時に確認・編集)はWindsurf独自の機能で、チーム開発での利点は大きい。
料金比較(2026年4月時点)
2026年3月、Windsurfはクレジット制からクォータ制に移行し、Pro料金を$15から$20に値上げした。現在は両ツールとも月額$20で横並びになっている。
| プラン | Cursor 3.0 | Windsurf |
|---|---|---|
| 無料 | 基本機能・補完制限付き | タブ補完無制限(独自モデルはクォータ外) |
| Pro | $20/月 | $20/月 |
| Max / 上位プラン | あり | $200/月 |
大きな差は 無料プランのタブ補完 だ。Windsurfは2026年3月のアップデートで、SWE-1.5などの独自モデルによる補完をクォータ対象外にした。補完だけなら無料で無制限に使える。まず試したい場合はWindsurfの無料プランから入るのが賢明だ。
向かない人・デメリット
Cursor 3.0 が向かない人
JetBrains・Vim・XCode・NeoVimを使っているエンジニアは、そもそも使えない。チームでリアルタイムにコードを共有しながら作業したい場合も機能が足りない。医療・金融・防衛系でFedRAMP・HIPAA準拠が必要な組織にも現時点では対応できていない。
Windsurf が向かない人
ブラウザのUIを視覚的に指定して変更したい場合、Design Modeがないため文章で説明するしかない。補完の承認率や細かいコード提案の精度を最優先する場合、Cursorのほうが安定して高い結果を出す。すでにCursorの操作体系に慣れていて学習コストをかけたくない人にも移行のメリットは薄い。
まとめ
2026年4月時点で、どちらが絶対的に優れているとは言い切れない。Cursor 3.0は補完精度・Design Mode・オートコンプリートの受け入れ率で強く、個人開発者でフロントエンド比重が高い場合に向いている。Windsurfはモデルの速度・大規模リファクタリング・40以上のIDE対応・エンタープライズコンプライアンスで強く、チーム開発やバックエンド重視のエンジニア・JetBrainsユーザーに向いている。
「月$20払うならどちら?」と問われれば、JetBrainsユーザーならWindsurf一択、VS Codeで補完精度を重視するならCursor 3.0という判断になる。
どちらも無料プランで動作確認できるので、まず両方インストールして1週間ずつ使ってみてから有料プランを検討することをおすすめする。
※ 本記事は2026年4月時点・両ツールの最新バージョンをもとに執筆しています。


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