「Claude Sonnetの13倍速い」というスペックを見たとき、最初は誇張だと思った。
しかし実際にWindsurf の SWE-1.5 モデルを使い始めると、その速さは数字どおりだった。200行の関数を生成するのに約12秒。同じ作業でClaude Sonnetを使うと3分近くかかっていたことを考えると、体感的な差は13倍どころではない。
この記事では、Windsurf Wave 13 で正式リリースされた独自モデル「SWE-1.5」について、スペック・精度・料金・実際の使用感をまとめる。
- SWE-1.5 のスペックと Claude Sonnet との速度・精度比較
- Windsurf での使い方と料金(無料で使える?)
- こんな人には向かないという正直なデメリット
料金:SWE-1.5 は無料で使える
先に料金を整理しておく。
| プラン | 料金 | SWE-1.5 利用 |
|---|---|---|
| 無料 | $0 | ✅ タブ補完は無制限(クォータ外) |
| Pro | $20/月 | ✅ Cascade での本格利用可 |
| Max | $200/月 | ✅ 最大クォータ |
SWE-1.5 を含む Windsurf の独自モデルはクレジット0で使える。2026年3月の料金体系変更(クレジット制→クォータ制)以降、独自モデルによるタブ補完はいかなるプランでもクォータ対象外になった。
つまり、補完だけなら無料で無制限に使える。
Cascade(エージェントモード)での継続的な作業には Pro の $20/月が必要になるが、まず SWE-1.5 の速さを体験するだけなら無料プランで十分だ。
SWE-1.5 とは何か
SWE-1.5 は、Cognition AI が開発したソフトウェアエンジニアリング専用の大規模言語モデルだ。汎用モデルではなく、コーディングタスクに特化して設計されている点が他のモデルと根本的に異なる。
推論インフラには Cerebras(業界最速クラスの推論プロバイダー)を採用。エンドツーエンドの強化学習で訓練されており、さまざまなプログラミング言語と実世界のコードベースに対応するよう最適化されている。
Windsurf の Wave 13 アップデートと同時に一般公開された。
スペック:950 tok/s という数字の意味
| 指標 | SWE-1.5 | Claude Sonnet 4.5 | Claude Haiku 4.5 |
|---|---|---|---|
| 推論速度 | 950 tok/s | 〜68 tok/s | 〜158 tok/s |
| SWE-Bench スコア | 40.08% | 〜40%(Sonnet 3.5相当) | — |
| コスト(Windsurf内) | 0クレジット | クレジット消費あり | クレジット消費あり |
950トークン/秒は Claude Sonnet 4.5 の約13倍、Haiku 4.5 の約6倍だ。
具体的な速度差を示すと:
- 200行の関数生成:SWE-1.5 約12秒 / Claude Sonnet 約3分
- 100行のバグ修正と修正説明:SWE-1.5 約8秒 / Claude Sonnet 約2分
コーディング中に「出力を待つ」という感覚が消える。思考のテンポに近い速度でコードが出てくるため、集中力を保ったまま作業を続けられる。
精度:速いだけではない
速さだけ突出していても精度が低ければ使い物にならない。この点について SWE-1.5 は正直なところ「十分以上」の水準にある。
SWE-Bench のスコアは 40.08%。SWE-Bench はGitHubの実際のイシュー(バグ修正・機能追加)を自動で解決できるかを測るベンチマークで、実世界に近い難易度が設定されている。Claude Sonnet 3.5 と同等のスコアを、13倍の速度で出しているということだ。
さらにより難易度の高い Scale AI の SWE-Bench Pro でも、フロンティアモデルに匹敵する精度を出しつつ、処理時間は大幅に短縮できることが確認されている。
「速くて精度が低い」という妥協ではなく、「速くて精度も高い」というのが SWE-1.5 の正直な評価だ。
Windsurf Wave 13 の同時アップデート
SWE-1.5 と同じタイミングで Wave 13 アップデートが入り、以下の機能も追加された。
Parallel Agents(並列エージェント)
複数のエージェントを同時に走らせることができる。片方でテストを実行しながら、もう片方でバグ修正を進める、という使い方が可能になった。Cursor 3.0 の Agents Window と同様の思想だ。
Fast Context(SWE-grep モデル)
コード全体から意味的に関連するコンテキストを従来比10倍の速度で取得できる。大規模なリポジトリ内で関連ファイルを探す時間が大幅に短縮される。
Codemaps
AIが注釈付きでコードの構造をビジュアルマップとして表示してくれる。アーキテクチャ図・関係性のトレースガイドが含まれており、初めて触るコードベースの理解に役立つ。
Vibe and Replace
数百ファイルにまたがる大規模なリファクタリングを一括で実行できる。変数名・関数名の統一や命名規則の適用など、手作業では時間がかかる作業をエージェントに任せられる。
こんな人におすすめ / 向かない人
- 待ち時間でリズムが崩れると感じているエンジニア
- JetBrains・Vim・XCode ユーザー(Cursorの選択肢がない環境)
- 大規模なリファクタリングや移行作業をエージェントに任せたい人
- まず無料で試してから判断したい人
向かない人について正直に書く
SWE-1.5 の精度は高いが、オートコンプリートの承認率という指標ではCursorに劣る。Cursor は72%という業界最高水準の承認率を持っており、補完の「的中率」を重視するなら Cursor 3.0 の方が上だ。
また、ブラウザのUIをクリックして直接変更指示を出せる「Design Mode」は Cursor 専用機能で、Windsurf にはない。フロントエンド開発でビジュアルな操作感を重視する場合は Cursor を検討した方がいい。
さらに、VS Code 以外のIDEを使っていない場合、Windsurf に乗り換えるメリットはCursorと比べて薄い。VS Code ユーザーであれば、まず両方の無料プランを試して比較するのが最善だ。
まとめ
SWE-1.5 は「13倍速い」という数字が一人歩きしがちだが、精度も Claude Sonnet 3.5 と同等水準を維持しているのが本質的な強みだ。しかも Windsurf 内では 0クレジット(無料プランでもタブ補完は無制限)で使える。
月額 $20 の Pro プランが「買いか?」という問いに答えるなら、JetBrainsユーザー・大規模コードベースを扱うエンジニア・チーム開発が多い人には明確に買いだと言える。VS Code でシンプルな補完だけ使う人は、まず無料プランで SWE-1.5 の速度を体験してから判断してほしい。
速さが変わると、コーディングの体験が変わる。この感覚は、実際に試してみないとわからない部分が大きい。
※ 本記事は2026年4月時点・Windsurf Wave 13 をもとに執筆しています。


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